420時間少人数実践コース

420時間少人数実践コース

法務省・文化庁新基準を満たす講座※

2016年7月に法務省は、「留学」ビザを持つ学生達のための日本語学校(法務省告示校という)で働く場合の日本語教師の基準の一つとして「学士の学位を有し,かつ,日本語教育に関する研修であって適当と認められるものを420単位時間以上受講し,これを修了した者」であることを告示基準の中に明示しました。これを受けて、法務省告示の日本語教育機関で勤務することを想定した日本語教員養成研修を実施している機関は、文化庁国語課に届出を行うこととなりました。
KCPの「420時間少人数実践コース」は、法務省及び文化庁の基準を満たす講座として適当と認められ、届出を受理されたコースです。(届出受理番号:H29040713006)

この新基準は平成29年4月1日以降に受講を開始する方から適用されます。
http://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/kyoin_kenshu

当コース修了後は、国内の日本語学校をはじめ、ビジネスマンやそのご家族へのプライベートレッスン、地域のボランティア、海外の高校や日本語学校など、活躍の場が広がります。また公益財団法人日本国際教育支援協会が実施する「日本語教育能力検定試験」の合格も、日本語教師の基準の一つとなっています。当コースのカリキュラムは、こちらの検定試験にも合格していただけるよう、試験範囲を網羅したコース内容となっております。日本語教育に関わる知識と技術の両面を、日本語学校内という最高の環境で学べる講座です。

 

プロ教師に求められるもの

日本語教育と言っても、その教育機関も学習者も世界中に広がっており、教師に求められるものも多様です。ですから、ただ一つのマニュアルを覚えるような方法では、現場で対処できません。
そのために、KCPでは受講生の主体的学びを重視した3段階のカリキュラムで、どんな環境でも、自分の頭で考え自らの足で立つための基礎体力を身につけます。
また日本語学校内での実地体験を重視しており、教育現場で考え、動き、自分にフィードバックする訓練もしていきます。休憩時間やクラブ活動、年中行事などで日常的に日本語学習者に接することはもちろん、実際の日本語学校の授業見学や、会話授業への参加などを通して、生きた日本語教育を学びます。「プロの教師」として、そして「成長し続ける教師」としての一歩を踏み出すために、知識と技術の両面で万全の準備をします。

3段階のカリキュラム

1stステップ基礎理論プレゼミ

Text授業計画(教案)を作成する際に、考える基盤となる文法知識、また考えるヒントとなる言語・教育・文化・社会・心理など関連知識について学びます。知っているようで知らない日本語の世界に、知的好奇心を大いに刺激される事でしょう。
授業のスタイルは、受身になりがちな講義形式でなく双方向の授業、或いは受講生によるプレゼンテーションも取り入れているので、自ずと理解も深まります。楽しく活発な雰囲気の中、理論知識を身につけるのみならず、教師として最も基本的な人にものを伝える能力も同時に磨いていきます。

基礎理論ゼミ 科目紹介

言語学概論 言語とは何か、日本語はどんな言語か、考えたことはありますか?
日本語の音声 言語教育に必要な音声の知識や音声教育に関する基礎知識を身に付けます。
日本語の文法(初級) 日本語の文法を体系的に学びます。また、その文法を初級の教科書ではどのように扱っているのか確認し、理論と実践を結びつけます。
日本語の文法(中・上級) 文法と同時に、言語を構成する語彙や意味について考え、分析力も身に付けます。この分析力が中上級の授業を考える上で欠かせません。
日本語教育法 外国語教授法の歴史から最近の教育方法・教材・教具まで、教授法に関する知識と、日本語教育のコースデザインについて学びます。
世界と日本 日本語教育は世界とどのように関わってきたか、また、日本語教育の意義、将来の展望など、日本と世界の関係から考えます。
評価・テスト テストの裏には目的が隠されています。テストを作る際の留意事項は何か。そしてその評価は単に学習者にABCをつけるだけではありません
クラス見学 日本語教育の実際を知るために、初級~上級の授業を90分見学します。
そこで気が付いたことは皆で共有し、実践に繋げます。
第二言語習得 人はどのように母語ではない言語を習得するのでしょうか。第二言語習得研究の歴史的な流れや基礎理論について学びます。そして、実際に第二言語として日本語を習得しようとしている人たちに日本語教師はどのように接し、支援すべきかについても考えます。
認知言語学・心理言語 言語学習・習得を考える際は、人間の認識(感覚・記憶・判断)や心理と言語の関係を無視することはできません。日本語を学ぶ学習者の頭の中はどのようになっているのでしょう。
社会言語学 私たちの使っている日本語は社会(場面、相手)により変化します。日本語教師も日本語学習者と社会とのかかわりを無視して教えることはできません。言語と社会の関わりについて広く考えます。
異文化・多文化理解と教育 文化を異にする外国人学習者と関わることを仕事とする日本語教師に必要な姿勢・考え方を学び、身につけます。学習者に接する際に実践してください。また、この分野は 今を生きる私たちにとって必須知識といえます。
日本語教育とICT 日本語教育の現場でも急速に広がるICT。その可能性などICTに関する知識とともに、ICT教材を作成する技術も学びます。


2ndステップ模擬授業実践ラボ

Text「模擬授業実践ラボ」は基礎理論から実践への橋渡しとなる重要な課程です。「既に理論は学んだものの、実践力が足りないので身につけたい!」「有資格者にはなったものの、教壇に立つ自信がない。」など、既に他で基礎理論を学ばれた方(日本語教育能力検定試験合格者・他校養成講座修了者)も受講可能です。

「実践ラボ」=「研究室」ですから、ここでは参加者全員で文法分析からきっちり行い、「教師として自分で考える力」の基礎を築くことが出来ます。その上で延べ100時間にわたり、初級・中級・上級とレベル別の実践とトレーニングを重ね、どんな現場にも対応できる教師としての実践力を養っていきます。
「教案をどう書けばよいのか」「教壇でどのような授業を展開すればよいのか」といった声にはベテラン教師が長年の経験の中で身につけたコツや、練習のノウハウを惜しみなく伝授していきます。自信を持って教壇に立つ自分を「模擬授業実践ラボ」で実現してください。

初級

  • 授業見学

    Pick Up! 授業見学

    Class

    見たこともない「日本語の授業」や「日本語学習者」を想像しながら授業案を書くのは、象を見たことがない人に、口伝えで絵を書かせるようなもの。KCPでは、日本語学校の授業見学をカリキュラムに組み込んでいるので、学習者の様子やレベル、これから組み立てる授業が明確にイメージできます。

  • 授業の組み立て
  • 教案の書き方
  • 教案の書き方・添削・フィードバック
  • フィードバック

中級・上級

  • 授業見学
  • 科目別指導法 文法
  • 教案の書き方 文法

    Pick Up!  教案が赤ペンで真っ赤に

    「講師が添削したものは最初は真っ赤になって返ってきます。それは教師の持つべき視点とはどのようなものかを示そうとしているからに他なりません。よりよい教案を目指し、推敲を重ねます。

  • 教案の書き方・添削・フィードバック
  • 模擬授業
  • フィードバック
  • 科目別指導法 読解
  • 教案の書き方 読解
  • 教案の見方・添削・フィードバック
  • 模擬授業

    Pick Up!  模擬授業

    Class

    なかなか教案どおりに行かず、いかに教案を書く段階でのシュミレーションが大切かを痛感。また他の受講生は学生役に徹し、使用語彙や文法も学習者のレベルに合わせて発言・質問してもらいます。この経験により、学習者が必要とする練習やつまづくポイント、学習者心理などにも考えが及び、それが次の教案に生かされます。

  • フィードバック


3rdステップ教壇実習(日本語学校インターンシップ)

420時間少人数実践コースの総仕上げは「KCP地球市民日本語学校」の実際のクラス(ホームクラス)に入って行う教壇実習。各レベル1週間で、初級+中級または上級の2回、計2週間行います。ベテラン教師の授業の進め方、学習者の集中力を引き出す技、学習者がわからない場合の対応など、模擬授業では見えなかった部分が見えてきます。また、プロの授業を見学し考察を深め、あなたが練り上げた教案で、最終日には授業も担当します。日本語を教えることの大変さと同時に、教える喜びも実感できる貴重な体験となることでしょう。こういった決して他では味わえない経験ができるのも、日本語学校附設講座ならではの特長と言えます。

教壇実習生の1日

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費用

入学金 21,000円
受講料 546,000円
合計 ※分割払いをご希望の方はご相談ください。

開講時期

開講時期 4月、7月、10月、1月
授業時間 9時30分~12時45分
開講期間 6ヶ月(最長2年まで受講可能)